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銀行は変われるのか?業界を牽引する、革新的コミュニケーション戦略【インタビュー前編】

株式会社琉球銀行 メディア戦略室室長 伊禮 真氏

働き方改革が声高に叫ばれ、新しいものや変化を受け入れられずに苦悩する企業が多くあるなか、最先端のテクノロジーをいち早く採用し、次世代的なコミュニケーションに取り組む「地方銀行」があります。Workplaceを導入して約1年となる、株式会社 琉球銀行です。

日本企業の中でも、特に日本特有の商習慣を色濃く残していると思われる「地方銀行」。しかし、そのイメージをたやすく壊してしまうそのアグレッシブな取り組みから、私たちが学べることとは?

今回は、Workplaceの導入を決めた中心人物である、同社メディア戦略室の伊禮 真(いれい まこと)さんにお話を伺ったインタビュー前編。

株式会社琉球銀行 営業統括部 メディア戦略室 
室長 伊禮 真(いれい まこと)

1986年、株式会社琉球銀行入行。1993年広告担当。
1999年東京三菱銀行(現東京三菱UFJ銀行)に出向。
2002年県内銀行初のTVCM制作、キャラクターのロボットが大きな話題になり海外のメディアにも取り上げられる。
以降関連会社への出向を経て2012年から再び広告に復帰。
県内外の広告賞を多数受賞。各メディアの取材多数。
琉球大学での講座やインターンシップへの講義。
県内外や国内外企業イベントでの講演出演も多い。


“自由闊達”の風土が支えるイノベーティブな取り組み

 > はじめに、伊禮さんのお仕事の内容を教えていただけますか?

はい、普段はメディア戦略室の室長として、マーケティングや広報の役割を担っています。加えて、社内のコミュニケーション活性化についてのインフラ整備も、ミッションとして持っています。

メディア戦略というと、採用やブランディングなど、まさにすべての仕事が繋がっていると言えるので、全方位で意識をしておかねばなりません。メディア戦略室は4月にできたばかりですが、それまでは、役職にとらわれずに自分が気になったところはどんどんやってきた、という感じです。

 > CTOといった役職を持たれている訳ではないのですね?

それはないですね。事務統括部という部署があって、社内インフラの検討するのですが、案外我々の方がテクノロジーの最先端にタッチしている可能性があるので、それならば知っている人間がリードすればいいのでは?という発想です。

 > のちのお話で、同社には「自由闊達」という風土があるそう。
    伊禮さんはまさに「自由闊達」の  精神を実践されているようです。


地方銀行は変われるのかーまずはお客様と同じレベルに立つこと

 > 業界の中でもかなり先進的にさまざまなITツールを取り入れていらっしゃる貴社ですが、
    現在は具体的にどのようなツールを使われていますか?

社内コミュニケーションに関しては、Workplace。グループウェアに関しては、Lotus Notesを使っていて、いまO365の導入も進めているので、それらのツールの役割分担について議論をしているところです。

それから、Amazon Chimeというビデオ会議ツールも実験的に使っています。他にも、Skype for BusinessやFacetimeも使っていますね。

デバイスとしては、パートを含む全社員にiPhoneを支給していて、すべての人がWorkpalceにアクセスできるようにしています。

 > では、ほとんどのツールをクラウドに移行されたということですか?

まだまだオンプレミス環境の部分もありますが、今年の4月にはインターネットバンキング以外のWEBサイト基盤をAWS(Amazon Web Services)に移行しています。これは地銀ではかなり早いチャレンジだと思います。

 > 社内でセキュリティに関する懸念はあがりませんでしたか?

AWSは、FISC(日本の金融情報システムセンター)による安全対策基準を満たしていますし、なにより、AWSよりも強固なシステムってないですよね。毎日世界からアタックされても、全くシステムが止まることはない。

 > 業界としては大きな出来事だと思いますが、貴社が実際に移行してしまったということは、
    すべての地方銀行さんでも可能ということですね。

間違いないです。メガバンクでもクラウド移行が進みつつありますので。弊社では、基盤はすでに作ったので、クラウドに乗せられるものは全て乗せていきましょうという発想ですね。

これからは、地銀も間違いなく変わらなくてはなりません。Fin Techの大きな流れの中で、地銀のサービスレベルは、UIやUXも含めて確実にFin Techに劣っています。銀行は店舗を閉めはじめていますが、それはお客さんが店舗へ来なくなっているから。このままのやり方では、どうしても尻すぼみなんです。だから、これからの主要な顧客となっていく、若い消費者が使っているものと同じツールを使い、新しい考え方で銀行を作り直さないといけない、と思っています。

 > 伊禮さんは30年ほど貴社にお勤めとのことなのですが、
    そういった銀行と世間とのずれをどのように感じ取ってらっしゃるのでしょうか?

そうですね、私があまり銀行員と付き合わないからでしょうね(笑) 社内の飲み会などにはあまり参加せず、外部の人と積極的に関わるようにしています。そうすると自然と、社内と世間とのギャップがよく見えるんです。

銀行員は、入社したときから「SNSから情報が漏れる、SNSは悪だ」と教わります。ただ一方、世の中ではSNSがインフラになりつつある。それで仕事が効率化しているし、コミュニケーションが取られているので、行員にもそこに早く触れてほしかったんですね。そうすることで、やっとお客様と同じレベルに並べると思ったんです。


「社内コミュニケーションの活性化」が不可欠であるという確信

 > 銀行も変わらなくてはならない、という危機感に加えて、
    個人のミッションとして「社内コミュニケーションの活性化」を掲げ、
    重要視するようになった理由はどんなものでしょうか?

社内のコミュニケーションレベルを上げることが、業績アップにもつながると考えていたからですね。コミュニケーションが生まれると、相手に対する理解が深まって、何か助けたいなと思うかもしれないし、やり方を変えたほうがいいかなと気づけるかもしれない。そうすると当然、仕事がスムーズになるので、業績が良くならないわけがないと思っていて。

銀行という業界柄、以前のコミュニケーションの主体は電話であったり、文書のような長文のメールであったりしました。その中でも、電話は同期通信なので、相手の仕事を邪魔するじゃないですか。それをどうにか非同期にできないかとも思っていましたね。

そして、弊社の2000名以上いる社員は、もしかして一生会うことのない人もいるかもしれませんが、Workplaceといったツールを使えば、どんどんコミュニケーションを取ることができる。そこで何かが起こるんじゃないかと思ったんです。実際に、導入して1年弱、本当にいろんなことが起こっていますよ。

(後編へ続く)